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『ひとり家飲み通い呑み』21世紀の迷いを晴らす聖典の誕生

ここに聖典(バイブル)が誕生した。

日本文芸社 | ひとり家飲み通い呑み/久住 昌之 著
192ページ
判型四六並判
ISBN978-4-537-25911-7
2012年01月発売
定価1,260円(税込)


孤高のグルメや花のズボラ飯の原作として知られる久住氏のエッセイ集というか飲んだくれエピソード集である。
孤高のグルメも花のズボラ飯も読んだ事無いが、タイトル買いである。だってねえそりゃあそうだろう。

ひとり飲みの魅力は好きなつまみを好きなペースで好きな酒と呑めるところだ。
からあげにレモンをかけられたり、あのネギ焼きはこの砂肝のあとにと思ってた所で穫られたり、
ええおまえまたウイスキーかよかっこつけんじゃねえよという表情で見られたり、
飲み過ぎると身体に毒ですよとか、
そんな空間から一切解放される。
全てはコントロールである。

朝から汗かきながら徹底的に家掃除したり仕事片付けたりランニングしたり、
のどの渇きを保ちつつ脱水症状を避けるにはどのくらい水分を取ろうか、
一杯目の酒はビールかハイボールか、つまみは何をつくろうか。
「ばんわー、とりあえず、生」だけじゃ精神の充足は果たせない。
1日賭けた夕方空が赤から青に変わる頃、コントロールし尽くした一人飲みが始まったとき、
世界は黄金色に輝き酒がじゃなくて主がすべてを包み込んでくれるのである。

聖典其の十四「ゴーチャン de ハイボール」にもこう書かれている。

でもね、丁寧に作ったハイボールはおいしいんだよ。そんなに大きくなコップに氷二〜三個入れて、
ウイスキーをダブルぐらい入れて、ソーダを注いだのは。砂糖入れてないのに微かな甘みを感じてね、香りも良いし。

これが苦いゴーチャン(ゴーヤチャンプル)に絶妙に、合うんだ。

夕方四時半ぐらいから、始めたいね。まだ完全に明るいうちから。
できれば、プールに行って、軽ーく泳いで来て。
頑張りすぎちゃダメだよ。軽ーく流して、三十分から五十分ぐらい、休みながらゆっくり泳いで。
適度の空腹と、酒が美味しくてしょうがない喉を作るつもりで

ウマいよ。軽くクーラーの効いた部屋で。ひとり夏の酒宴。充実の夕暮れ。

聖典は全編この調子である。
絶妙に響くひとり飲みのシチュエーションに完璧なメニュー、間違いないお酒のチョイスである。
ひとり飲みの俺やおっさんの頭の中をのぞいたらきっとこうであろうという
一切無駄の無い無駄な思考がちりばめられている。

聖典其の三「とんかつ de ビール」の一文に凝縮されている。

とんかつ定食を、フランス料理のフルコースと思いたまえ

ああ主よ。私はまだまだ修行が足りぬようです。


おすすめである。今すぐ買え。


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