タイトルも書評も見ずに買ったとは言え、正直な想いです。
greenz.jpは好きで毎日見ているので期待値が高かった。
著者買いのため、妄想していた中身とのギャップにがっかりした。
書籍「ソーシャルデザイン」は、”greenz.jpのWEBサイトから抜粋された事例集”で、
当然だけどgreenz.jpや、その他サイトにて見たことのある事例がほとんどだったため特に驚きが無かった。
サブタイトルにグッドアイデア集とあるけれど、それならそれで深堀りして欲しい。
うまくいった側面だけを数ページずつで紹介しているのみで、これならwebで読んで適当に周辺検索した方が余程楽しめる。
事例紹介が主ではgreenz.jp名目で書籍を出す意味がないだろうとさえ思う。
(何かを定位させるために書籍を出して、新しい間口を作ったりPR素材とするとかはよくある事例だけど、この本はどうなのかな。)
僕が読みたかったのはgreenz.jpやそこの周りで起きている出来事についての深掘りであって、ソーシャルデザインの事例では無い。
greenz.jpが記事を選ぶ視点や取材方法、greenz.jpのサイトデザイン、今後のビジョンなど、
触れて欲しかった(当初期待していた)ものがさらっとしか書かれていない。
ということで、見た目も内容も軽すぎる本だった。
greenz自体はよく読ませてもらってるし、更新が楽しみなサイト。
新しいメディアを作ろうと努力されている雰囲気が伝わってくる。
それだけに、初の紙媒体をこのように使ったのは本当にがっかりだ。
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そしてここからは「ソーシャルデザイン」に限ったことでは無いのだけど。
昨今の、社会に「デザイン」や「ソーシャル」を持ち込もうとする本はどうも中身が薄い傾向がある。と感じる。
これまでの問題点、施策のよかった点を強調し、
アイデアの転換やツールの利用で色々とよい方向に転がったよ、という紹介が定型になっている。
時間経過が分かりづらく、どんなスパンで行われ、どのくらいの期間効果が持続したのかが分からない。
アイデアの派手さとスピード感に、成否をダマされているのでは無いかと感じることがある。
雨後の筍のように生まれる「ソーシャルデザイン」がどこにたどり着いたか。
たどり着いた先に何があったかを知らせるのがメディアの役目であり、
書籍のような編集して集積される媒体こそが、その情報を載せるのにふさわしい。
greenz.jpの目線ややり方は面白いし時流によく合う。
でもそれはWEB上で面白いやり方であって、本という媒体をWEBのままやられたら面白くない。
いいね!ボタンの無い新書では単なる「どこかのコンテンツのシェア」は軽すぎる。