中身の薄いサッカー関連本が多くなった昨今、
我らが日本代表監督ザッケローニにまつわる人々への取材を元に構成されたこの本はすごく面白かった。
監督ザッケローニの本質 片野道郎、アントニオ・フィンコ | ノンフィクション、学芸 | 光文社
ザッケローニの監督キャリアの始まりから日本代表監督就任までの様々なストーリーを、
アリゴサッキ、デルピエロ、モラッティ、アルベルティーニ、トルド、などなど、
現役を離れた今でも重鎮として活躍するレジェンドと言える人々へのインタビューを交えて構成した、
中身の濃い一冊だった。
今でこそザッケローニを招聘した日本協会エライ!と言えるけど、
名前が出た時はおいおいもう終わった監督にするのかよペケルマンだろここはと、
ひどいことを思ったものです。ザッケローニ様の住まいに向けてごめんなさいしたいです。
でも恐らく、海外サッカーをよく見る日本人なら僕と同じような感想を持ったと思う。
よく見ない人は多分「誰それ」状態だったからまあ良い。
ある時期に3−4−3の戦術で一世を風靡したがビッグクラブで失敗が続いた監督。
それが大多数の印象だったと思う。
代表監督の経験も無く、日本代表をどう思っているのか不明で、かなり不安を感じていたものだ。
本書には、ザッケローニの哲学が充分に示されている。
本人のインタビューが最後に出てくるが、
それを読まずともわかる明確な思想がそれぞれの当事者の言葉で浮かび上がる。
具体的な中身は言わない。
大黒のトリノ移籍についてさらっとすごいこと言われてたり、
ザッケローニがホテルマンだったなんて当たりはとっても面白かったけど本筋にはあまり影響がない。
ということで、具体的には言わないけれど、
日本代表は、いい監督を得た。
これから何があっても、この監督とチームを応援して行きたい。
そう思えるとても素晴らしい本なのでとにかくみんな買え。